ご両親、高校の先生、ネットの評判などから「大卒になったほうが良い」とよく耳にします。
その理由を聞くと
- 大卒と高卒の生涯年収の違い
- 就職の幅が広がる
- 好きに使える時間が増える
この3つをよく聞きます。
しかしこの3つは昔の話で、今は大学に入学できたからと言って上記の3つが適応されるとは限りません…。
現在、学生の人数は300万人近くをキープしていて、高校を卒業した半分の人が大学生になっています。
ですが今回は「とりあえずで大学に入学することのリスク」について解説していきたいと思います。
目次 [show]
大卒と高卒で生涯年収を比べてはいけない理由
「よく大卒と高卒では生涯年収が5000万円ほど違う!」と聞きますが、これは誤りです。
まずはそのことについて解説しますね。
卒業する大学で年収が違う
大卒になれば生涯年収が上がるわけではなく、年収の高い企業に就職できる大学を卒業することで生涯年収が上がります。
昔と比べて、現在の大学はレベルの高い大学と低い大学の差が非常に激しいです。
東大・早稲田・慶応などのトップレベルの大学が大卒の平均年収を押し上げるので、高卒と大卒の生涯年収に大きな差が生まれています。
そのため、「大卒」という言葉で一括りするのは適切とは言えません。

就活に成功する前提で話が進んでいる
日本の大学は入学が簡単で卒業が難しいと言われています。
そのため「入学できれば人生は安泰だ」と思う人が多いですが、実際は違います。
大学に入学しても就活に成功しなければなりません。
下の画像を御覧ください

引用:https://www.jstage.jst.go.jp/article/keidaironshu/64/1/64_KJ00008632039/_pdf/-char/ja
これは偏差値ごとに就職率をまとめたものです。
2012年と少し古いデータですが、定員割れした大学の少ない時期ですら平均67.1%就職率となっています。
大学を卒業しても就活に成功しなければ年収は高くなりません
これも大卒資格だけで生涯年収が上がる訳では無いことが分かると思います。
大卒になれば月収1~2万円上がるけど…
大卒になれば、高卒と同じ職業でも月収が1~2万円ほど違う場合があります。
しかし大学で学費を払っていることを忘れてはいけません。
誰でも入学できる私立大学の学費を400万円で見積もったとして、16.6年働いて元が取れる計算です。
それだけでなく、高卒と同じ職場なので4年分の時間も加えて考えなければなりません。
4年間で稼げたであろう1000万円を計算すると、41.6年働かないと元が取れません。
合計58.2年分です。
大学を卒業することはもちろん良いことです。
しかし就活に失敗すると高卒と同じ就職先どころか高卒よりも機会損失で生涯年収が下がってしまいます。
就職の幅だけ広げても就活は厳しい
大卒と高卒では就職の幅は広がるといいます。
しかし幅だけ広げてもあまり効果はありません。
解説しますね。
大卒だからではなく卒業する大学で判断される
就活の目的は希望する企業に就職するためです。
そのためには就活の幅を広げるのも大切ですが、内定を貰うことが最も重要です。
しかし学歴フィルターの存在で、大学を卒業しただけでは希望の企業の面接すらさせてもらえません。

大東亜帝国以下はコスパが悪い
この学歴フィルターは日東駒専から適応されることが多いです。
しかし日東駒専は大学のブランドはまだ根強く、卒業するだけでも評価されます
そのため、大東亜帝国以下の大学からが本格的に就活が難しくなります。

この図は有名企業の就職に強い大学トップ200校から、日東駒専と大東亜帝国をピックアップしたものです。
このことから、大卒資格だけで就活は難しいことが分かると思います。
大卒なら通信制大学でいい
また、大卒資格を取得するだけなら通信制大学でも可能です。
通信制大学の学費は約100万円ほどで卒業できるので、学費の節約になる他、単位の引き継いでの編入もできます。
下の図は通信制大学に編入することで学費をどのくらいまで節約できるのか表にしました。
ぜひ参考にしてください。

「入学すれば自由な時間が増える」に対し反論
お金を払っているから時間が増える
確かに大学に入学することで自由に使える時間は増えます。
ですが実際は学費を払って学生としていられるから。
そのため1日換算してに約3000円の学費を払っている以上、時間を有意義に使いたいところです。
しかし、昔と比べて今は有意義に時間を使うことは難しくなっています。
その理由を解説しますね
昔と比べ時間を有意義に使うことは難しい
時間があるからと言って贅沢な使い方をすると、一瞬で学生生活は終わります。
その理由は、学生の時間だけでは遊べないほど、コンテンツのレベルが上がったからです。
- YoutubeやSNSで無限にコンテンツが有る
- 長時間遊ぶ前提で作られたゲームが流行っていること
- ショート動画など頭を使わずに楽しめるコンテンツ
このコンテンツの特徴は一人でできることが特徴です。
特にFランク大学などの活発ではない大学に通う人は、このコンテンツにハマりやすいと感じてます。
もしそうなった場合、せっかくの学費と時間を無駄にするリスクがあります。
確かに時間の使い方は自由ですし、自己管理できるなら上記のリスクを気にする必要はありません。
しかし、上記のとおり現在は以前と比べて学生生活で有意義な時間を送ることは難しく、そのために400万円の学費を払わなければならないのです。
有意義な時間とは?
ここで言う有意義な時間とは、学生生活にしかできないことをする時間だと思ってます。
つまり、さまざまな人と関わることが有意義な時間です。
- サークル活動
- 友達との旅行
- 合コンなどなど
しかし、サークルの活動がほとんど無い大学もあることや、大学の特性上、広く浅くの人間関係を嫌う人は、学生生活にストレスを感じます。
学生生活に向き不向きがあることから、「凡人なら大学に行けば?」と言えないことが、私が主張する理由の1つです。
奨学金の返済の大変さを知らない
学生の半分は利用している奨学金ですが
「みんなが返済できているから自分も返済できるだろう」
「月に2万円程度なら問題ないだろう」
などといったイメージから返済は簡単と思う人が多いです。
しかし実際は、奨学金の利用を後悔している人は半分を超えています。
それほど返済は大変です…。
奨学金の返済は非常に大変
奨学金の返済は想像以上に大変です。
下の画像を御覧ください

この画像はアディーレ未来創造基金が行ったアンケートを抜粋したものです。
奨学金の返済が想像以上に負担になっていると答えた割合は8割を超えています。
奨学金の返済の難しさについてはこの記事で詳しく解説してます
40代まで貯金できない
奨学金の平均借入額は324万円で、40代の平均貯蓄額は365万円です。
もし奨学金の平均の金額を利用して、平均的な生活を送ってしまうと、40歳まで貯蓄できなくなることを意味します。
つまり大学を卒業したからには、必ず稼がなけれなならないのです。

就活に成功する前提で借りるもの
しかし上記で解説した通り、学歴フィルターの存在で大卒資格の有無だけでは就活に成功できません。
大学時代に何に力を入れてきたのかを問われます。
しかし
- ゲームや動画などの中毒になるリスク
- 周りから悪影響を受けるリスク
- ストレスに耐えられないリスクなどなど
さまざまなリスクを自己管理でコントロールする必要があるため、就活に成功する前提で利用する奨学金にもリスクが高いことが分かります。
その学費は別のものに使える
私立の文系ならほとんどの大学は400万円を超えます。
ここでそのお金を別の使ったらどうなるのか検証していきましょう。
投資で使えば8000万円になる
例えば学費400万円を新NISAで運用すると仮定しましょう。
運用利回りは7%(オルカンの平均は現在9%)で65歳の老後まで運用したとします。
そうなると8000万円のお金になります。
つまり400万円の金額は、老後2000万円問題を余裕で解決できるほどの金額なのです。

小さなビジネスを始められる
またSNSや書籍を駆使して小さくビジネスを始めることもできます。
- せどり
- Webライター
- 道の駅で農作物販売など
昔と比べて今は情報が簡単に手に入るので、敷居が低くなりました。
よく大学は「実践的な講義を展開」というフレーズを耳にしますが、こちらは実践そのものです。
また資本金300万円で起業している会社もあるので、400万円の使い道は多岐にわたります。
資格・スキルアップなど
他にも年収に直結する資格を勉強するのも効果的です。
公認会計士などの難関資格を勉強するには、通信制の教材を購入するのが鉄板ですが、価格は100万円くらいするので高額です。
ですが合格すれば年収が1000万円を超えるので、学歴フィルターで就活の難しい大学と比べると、確実に資金が自分の元に戻ってきます。
わざわざ大学を通して行動する必要はない
大学で学べる内容は幅広いですが、資格や投資と比べ、そのどれもが中途半端に終ってしまう事が多いです。
さらに、大学で勉強するのは学問の追求より就職するために行く場所なので、大学で学んだことを活かす機会はあまりありません。
しかし、上記で紹介したものは必ず自分に活きてきます。
400万円があればこのようなお金の使い道ができるのです。
【重要】大学に入学するなとは言っていない
大学は自己投資だが…
大学は学費が存在する以上、自己投資として存在しています。
しかし投資先で大学を考えてみると、リスクが高いことが分かると思います。
大学と言ってもレベルはピンキリでいい大学もあれば何も得られない大学もある。
自分はあえて線引をするのなら大東亜帝国以下の大学は学費が高い割に、得られる物が少なく、コスパの悪い大学と思ってます。
上記で解説しましたが大卒で生涯年収は大きく離れますが、その金額を投資に回すと8000万円で返ってくることも事実。
なのでとりあえずで大学に入学する前に、その大学で何がしたいのか、経済状況などを考えて入学したほうが良いと思います。
実際には入学しないと分からない
大学生活は実際に入学しないと実感が湧きません。
大学の雰囲気、講義のレベル、いい影響を与えてくれる人々など、いい大学に入学できれば必ずプラスになります。
なので、大学入学するか悩んでいるのなら、思い切って入学するといいと思います。
もし合わないと感じたら損切りも大切
そこで大切になる考え方が、損切りです。
入学しても「思ったのと違うな」「学生生活向いてないな」などと感じるかもしれません。
その時に学費が勿体ないと感じたら中退して進路を変えることも大切です。
このブログでは中退した後でも豊かな生活を送る方法を解説しているので参考にしてください。
まとめ
今回は以下のことについて解説しました。
- 大卒と高卒を比べるな:大学の中にもレベルの高い大学、低い大学の両方あるので注意!
- 就活の幅しか広がらない:就職の幅は広がるが、採用されなきゃ意味が無い…。
- 学費を払うから時間が増える:自己管理が苦手な人は、時間とお金を無駄にしてしまう。
- 奨学金の返済は難しい:高校生が10年後20年後について考えられるのはほぼ不可能。
- その学費を別の者に使おう:400万円は自分の人生を大きく変えられる金額。無駄にするな。
以上が「凡人ならとりあえずで大学に行くな」と主張する理由です。
こんな記事を執筆してすみません…。
ですが、自分はFランク大学の悲惨な状況を体験してます。
もちろん大学に通う人全員とは限らないです。
しかし、「とりあえずでも大学に入学したほうが良い」と言う風潮が広まっている中、こういった反対意見も参考になると思ったのでこの記事を執筆しました。
このブログは大学を中退した後でも豊かな生活が送れるようにサポートしていきます!
ありがとうございました~!